住宅購入に必要な「諸費用」ってどのくらいかかる?

住宅の購入を考える場合、物件の代金のほかに税金や手数料などさまざまな諸費用を支払う必要があります。

これらの諸費用は住宅ローンの借入額に含まれるものもありますが、基本的に現金で支払う必要があるので、住宅を購入する際にはどのような費用がかかるのかしっかりと確認しておく必要があります。

住宅購入時に必要な諸費用とは

具体的には、契約時の印紙税・固定資産税などの税金登記にかかる登録免許税や司法書士に支払う報酬、住宅ローンの借入費用、不動産業者の仲介を受ける際には仲介手数料などさまざまな費用がかかります。

また、購入後の引越し費用や家具・内装の費用等も考えられます。

これらの諸費用の総額がいくらになるかは住宅の種類や購入の仕方によって異なりますが、一般に新築物件では物件価格の約2~6%前後、中古物件では5~10%前後、注文住宅では土地・建物の総額の10%前後が目安とされています。

以下、主なものを詳しくみていきます。

仲介手数料

宅地建物取引業者(仲介会社)の媒介などによって住宅を取得する際に仲介会社に支払う手数料を仲介手数料といいます。
仲介会社による媒介は中古住宅が一般的ですが、新築の建売住宅でも取引態様が「売主」ではなく、「媒介」もしくは「仲介」となる場合には仲介手数料が発生します。

仲介手数料は法律で上限が決められており、物件価格が400万円を超える場合には以下の計算式で算出します。

物件価格 × 3% + 6万円

物件の税抜き価格に対して計算をし、消費税がかかるので、実際には以下のようになります。

物件価格(税抜き) × 3.3% + 66,000円

ただし、条件によっては非課税となる部分もあるので、正確な金額は売主や仲介会社に確認する必要があります。

印紙税

不動産を購入する際の売買契約書や建築工事の請負契約書、住宅ローンを組む際の金銭消費貸借契約書などを作成する際に、文書の種類や金額に応じて契約書に貼る印紙代のことで、これにより納税を行います。

住宅ローン借入費用

融資事務手数料

住宅ローンを利用する際に支払う手数料を融資事務手数料といいます。

都市銀行などの銀行ローンでは約3万円~5万円前後の定額制としている場合が一般的ですが、「融資額×2.16%」などの定率制とするところも増えています。
また、両者を選択できる金融機関もあります。

この場合、定率制を選んだ場合は、定額制に比べて融資手数料が高額になりますが、その分金利が低かったり、次のローン保証料がかからないなどさまざまな条件があります。

保証料(ローン保証料)

住宅ローンを利用する場合、この保証料を保証会社に支払うことが一般的です。
保証料を一時金として支払う方式を外枠方式、保証料相当額を金利に上乗せして支払う内枠方式といいます。

仮にローンの返済が滞った場合に、保証会社が代わりにローン残高を金融機関に支払い、利用者は以後その保証会社に返済をすることになります。

なお、「フラット35」や一部の金融機関では、保証料が不要であるが、その代わり融資事務手数料を高く設定しているところもあります。

登録免許税(登記費用)

登録免許税は、土地や不動産を取得した際に所有権などの権利関係を登記所(法務局)の登記簿に記載する所有権移転登記や、住宅ローンの借入に伴って土地や建物を担保に融資したことを示すための抵当権を設定した際に行う抵当権設定登記をする際に納付する必要があります。

この所有権に関する登記をすることによって第三者に対してその土地や建物が自分のものであることを示します。

不動産取得税

不動産を取得した際にかかる税金が不動産取得税です。

税額は登録免許税と同様に不動産の固定資産税評価額に税率をかけて計算されます。
税率は4%ですが、2021年3月31日までは土地および住宅を取得した場合は税率3%、宅地の課税標準額(※1)は固定資産税評価額×1/2となります。

(※1)課税標準額:何に対して税金がかかるのかを示すもので、課税の対象となる金額のこと

団体信用生命保険料

団体信用生命保険(以下、「団信」)とは、住宅ローンの借入者が加入できる団体扱いの生命保険で、加入者に万が一のことがあったり、所定の高度障害状になった場合などに、住宅ローンの残債が保険金によって全額弁済される保険です。
これによって加入者に万が一のことがあった場合に残された遺族は住宅ローンの返済から解放されることになります。

民間の住宅ローンでは団信への加入が融資の条件とされていますが、保険料は金利に含まれているので別途支払う必要はありません。

火災保険料・地震保険料

住宅の購入に際して住宅ローンを利用する場合、原則として火災保険に加入することが条件となっています(地震保険は任意)。

基本的にどの損害保険会社のものでもよいのですが、住宅の販売元や借入先の金融機関が提携しているものに加入すると保険料が割安になることが多くあります。

火災保険は保険金額や契約期間などで金額が大きく異なりますが、マンションであれば専有部分のみの加入となるので数万円程度ですが、戸建ての場合は20万円前後かかることもあります。

さいごに

住宅を購入する際には、ここまでみてきたように、さまざまな諸費用がかかります。
実際には購入する物件の条件などで金額は変わりますが、物件価格の5~10%程度はかかると思っていてよいでしょう。
どんな費用にいくら必要になるのかは検討段階で販売会社等にしっかりと確認をしてください。