誰が遺産を相続するのか 法定相続人と相続の割合とは

公開日:2020年5月15日

相続を開始したり相続対策を考える際に誰が財産を相続できる相続人になるのかを把握しておく必要があります。

まずは被相続人や相続人について確認し、誰が相続人になりいくら相続することができるのかについてご説明します

被相続人とは

被相続人とは、死亡によって財産(相続財産)を相続される人のことを言います。
つまり、亡くなった人のことを被相続人といいます。

被相続人が死亡した時点で相続が発生します。
近年ですと毎年130万人前後の方が亡くなっているので、その数だけ相続が発生していることになります。

相続人とは

相続人とは、死亡した被相続人が残した財産や権利、義務などを相続によって承継する者のことです。
相続人になるには被相続人と一定の身分関係にあることが必要になります。

財産を残して死亡した人を「被相続人」
財産を受け継ぐ人を「相続人」

といいます

法定相続人とは

誰が相続人になるかは法律で明確に決められており、民法で定められた相続人を「法定相続人」といいます。

法定相続人は被相続人の配偶者(夫、または妻)、子、孫、父母など被相続人と一定の血族関係にある人が対象となります。

婚姻届を出して正式に夫婦である配偶者は相続人になることができますが、婚姻関係にないいわゆる事実婚で片方の方が亡くなった場合、内縁関係にある夫や妻は相続人にはなれません。

被相続人の子供は実子、養子、婚姻していない男女の子でも認知されていれば相続人になることができます
相続発生時点で胎児であった場合でも相続人になることができますが、生きて産まれてくることが相続人となる条件です。

相続人になるのは誰か?

それでは誰が法定相続人となれるかを詳しく見ていきます。

被相続人の夫や妻(配偶者)は常に相続人となります

ただし、被相続人の血族であれば必ず相続人になれるというわけではありません。
例えば、被相続人の父や母は、被相続人に子や孫がいる場合で子や孫が相続放棄をしていない場合には相続人になることができません。

相続には順位がある

相続人となることができる人には順位が決められています。

まず、配偶者であれば常に相続人となることはさきに確認しました。
その配偶者とともに相続人になることができる人は「第1順位」の人です。
「第1順位」の人がいる場合は、それ以下の順位の人は相続人になることができません

もし、「第1順位」の人がいなければ配偶者と「第2順位」の人が、「第2順位」の人もいない場合は配偶者と「第3順位」の人に順次相続できる権利(相続権)が移る仕組みになっています。

順位と法定相続分

ここからは相続の順位と法定相続分の例を説明します。

「第1順位」は子などの直系卑属

まず、相続の優先度が一番高い第1順位は、子どもなどのいわゆる「直系卑属(ひぞく)」にあたる人です。

被相続人に子どもがいれば最優先で相続人となります
もし、被相続人の死亡時点で子がすでに死亡していた場合には、その子の子(被相続人から見れば孫)に、その人に死亡していたらそのまた子(被相続人から見ればひ孫)に相続権が順次移ります。
これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。

「直系」とは自分の親や子供のように「タテ」の血縁関係のことを言い、「卑属」とは、子や孫、ひ孫など自分より下の世代を言い、「尊属」とは父母や祖父母など自分より目上の者のことを言います。
つまり、直系卑属であれば自分の子や孫、直系尊属であれば自分の親や祖父母のことです。

配偶者と子どもの家庭の場合、配偶者の相続分は2分の1となり、残りが子の相続分となります。

配偶者がいない場合

配偶者が離婚や死亡しており不在の場合は、子がすべての財産を相続します。

ここでは、相続人のうちの一人がすでに他界している例を示しています。
その場合、子の子である孫が、(孫が亡くなっている場合はひ孫が)代襲して相続することになります。

この例での孫の相続分は、本来被相続人の子が相続できた1/3を孫二人で分け合うので1/3÷2となり、孫ひとりあたり1/6となります。

「第2順位」は父母などの「直系尊属」

「第1順位」の相続人がいない場合には、「第2順位」の人が相続人となります。
つまり、被相続人に子どもや孫などがいない場合には、配偶者とともに父母が相続人となります

これも子のときと同じように、父母がいなければ祖父母がなどが相続人となります

配偶者がいない場合

被相続人に配偶者がいない場合には、親がすべて相続をします。

父母のどちらかでも生存している場合には親がすべて相続をすることになるので亡くなっている親の親(被相続人から見ると祖父母)は代襲しません。

それでも相続人がいなければ「第3順位」の兄弟姉妹

「第1順位」「第2順位」ともに相続人となるべき人がいない場合に相続人としての順番が回ってくるのが「第3順位」の兄弟姉妹です。

配偶者とともに兄弟姉妹が相続することになります。
その場合、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4となります。

もし、被相続人の死亡時点で兄弟姉妹が他界していた場合は、その兄弟姉妹の子(被相続人からすると「おい」と「めい」)が相続人となります。

ただし、兄弟姉妹の子の子(おいとめいの子)には代襲相続されません。

配偶者がいない場合

配偶者がいない場合は、兄弟姉妹で財産の全部を相続することになります。

相続人がいない場合は?

ここまで、身内に相続人がいる場合について見てきました。
ですが、相続人がいないというケースも増えてきており、その場合には財産はどうなってしまうのでしょうか。

被相続人に法定相続人がおらず、遺言書も残されていないときは、その財産の行き場がなくなってしまうため、家庭裁判所において利害関係人の申し立てにより「相続財産管理人」が選任され、相続人となる人を探します。


それでも見つからない場合は、相続債権者や受遺者に対する清算手続きの後、被相続人と生前特別の縁故のあった者の請求により相続財産の全部または一部を与えることができます
このような者を「特別縁故者」といい、内縁関係の夫や妻、被相続人を献身的に看護してきた者などで家庭裁判所が個別に判断をします。

その後不動産の共有者もいない場合には相続財産は国に帰属(国のお金になる)することになります。

さいごに

ここでは、相続について誰が相続人になれるのか、その法定相続分について見てきました。

相続人の人数によりそれぞれが相続する相続分は異なりますが、配偶者は常に相続人となり、他の相続人の人数に関わらず相続分は異ならないという点がポイントです。