新社会人に生命保険は必要か?

公開日:2020年4月23日

「大学を卒業して就職をしたら生命保険に入ったほうがよい」
そうアドバイスされて生命保険に加入したという人も多いのではないでしょうか。

「それなら自分も生命保険に加入したほうがいいのかな」と考えている新社会人の皆さんもいらっしゃるでしょう。
「社会人になったなら保険に入るべきだ」という風潮もまだ残っていることもそう考える原因の一つでもあるでしょう。

新社会人に生命保険は必要なのでしょうか?
人それぞれ考え方はあるかと思いますが、基本的には新社会人に生命保険は「不要」であると考えます

ここではその理由をご説明します。

新入社員と生命保険

新入社員は営業攻勢を受けやすい

春になり新入社員として入社すると生命保険の営業を受けたという人も多いと思います。

新入社員であればまだ保険に加入していない可能性が高いうえに、保険についての知識もあまり持っていないので営業をかけやすいということがあります。

保険を売る側からしてみれば、生命保険は「見直し」が前提の商品となっています。
もちろん、家庭環境や年齢によって保障内容を見直すことは私たちの側から見ても必要なことは間違いありません。

ですが、販売する側から見ると保険の見直しで新たな保険に加入してもらうことで販売ノルマを達成する必要があります。
そのため、見直しをするための顧客を得るためにも新入社員のうちから生命保険に加入してもらう必要があるのです。

これが新入社員が営業攻勢に遭うひとつの原因です。

以前であれば、職場のデスクにまで生命保険の営業員が営業に来るという光景はよく見られましたが、最近ではセキュリティの観点からこのような営業方法は少なくなっていますが、まだまだ新入社員が保険の営業員と接点を持つ機会は多くあります。

新入社員は大手生命保険会社のセット商品に加入していることが多い

ここでいうセット商品とは、通常の死亡保障のみではなく、医療保険やさまざまな特約などがセットになっている商品のことを言い、保険料は高額になる傾向にあります。

中には新入社員であっても保険金が数千万円の死亡保障がついている保険を契約しているケースもあります。

このような保険を契約してしまうのは保険についての知識があまりなく、「勧められたから」とか「社会人になったからには生命保険は必要だ」という思い込みからくるものです。

結婚をしていない新入社員にとっては、万が一死亡したときの保険金の受取人は基本的に親となります。
果たしてそんな数千万円の保険金が必要でしょうか?

新社会人に生命保険は不要だという根拠の一つは、この特に考えもせずに勧められるままに高額な生命保険に加入してしまうということです。

生命保険に加入するタイミングは「家族を持ったら」が正解

では、生命保険に加入するのはいつかというと、生命保険に加入するタイミングは「家族を持ったら」が正解結婚をして家庭を持ったときです。

結婚をして家族ができるとその家族を守る責任が生まれます。
独身時代は生活を守るのは自分ひとりですから責任がないのであえて生命保険に加入する必要もないのです。

もしも高額な死亡保険金がある生命保険に加入しているのなら解約も含め見直しを検討するとよいでしょう。
解約をするといままで支払った保険料が無駄になると思う方も多いかと思いますが、生命保険は基本的に掛け捨てが多いので保険料が無駄になるということはありません。

もし、死亡保障が必要なら都道府県民共済などを利用することで保険料を抑えて保障を用意することができます。

ではどんな保険に入ればよいか

では、新社会人が入るならどんな保険がよいのでしょうか。

まずは医療保険が考えられます。

医療保険とは、病気やケガなどで通院や入院が必要になったときに医療費や生活費を保障してくれるというものです。
ですが、社会人であれば公的保険である社会保険でまかなえることも多いので入院時に給付を受けられる医療保険など必要最低限の保障を用意しておけば充分といえます。

趣味に保険をかける

多額の生命保険をかけるのなら、趣味に保険をかけるのはいかがでしょうか。

もしも登山やマリンスポーツなど危険が伴う趣味を持っている場合、通常の医療保険では補償の対象外となることがあります。
なので、活動中の事故によって受けた被害を補償してくれる保険に加入することをおすすめします。


そのほか、草野球やサッカーなどはスポーツ保険、ゴルフならゴルファー保険、旅行が趣味なら国内旅行傷害保険や海外旅行傷害保険などさまざまな保険が用意されています。

さいごに

ここでは、新社会人にとって生命保険は必要かについてご説明しました。

独身で守るべき家族がいない場合は基本的に生命保険は不要です。
その分を貯蓄や自己研鑽に回したり、趣味に保険をかけるとよいでしょう。

生命保険に入る前に、まずは国の制度である社会保険について理解しましょう。
そして、あなたが働いている会社の福利厚生についてもきちんと理解しておく必要があります。

そうすることで自分にもしものことが起こった場合に必要な保障はかなり用意されていることがわかると思います。

ポイント!
  • 社会保険について理解する
  • 会社の福利厚生について理解する
  • 不要な保険には入らない

生命保険は周りが入っているから、勧められたから入るというものではなく、必要性に応じて加入するものであり、不要な保険には加入しない、しっかり断るということは覚えておいてください。