車を持つのに必要な維持費はどのくらいかかるのか

公開日:2020年2月15日

車を購入しようと思ったときにまず疑問になるのは、車体の購入費以外にどのような費用がかかるかということではないでしょうか。
車を所有することでかかる維持費が高額であることなどを理由に、近年、特に若い世代や公共交通機関が発達している都心部では車を持たない人も増えているようです。

ここでは、車の購入を考えている方へ、車を所有するにはどのような費用がかかるのかや、所有以外の車の保有・使用方法についてご紹介します
初めて車を購入する予定の方や買い替えを考えている方もこの機会にチェックしてみてください。

車を所有するのにかかる維持費は

まず、車を購入・所有するには車体の購入費用だけでなく、維持費がかかるので、この維持費についてもしっかりと頭に入れておかなければいけません。
この維持費も合計するとかなりの金額になることも多いので、車を買ったためにあとあと生活が苦しくなることのないようにしっかり確認してください

まず、維持費は大きく以下のグループに分けられます。

  1. 税金
  2. 保険料
  3. 整備・メンテナンス費
  4. 利用費

1. 税金

車を購入・所有するには税金を納めなければなりません。
消費税のほかに以下の税金がかかります。

  1. 環境性能割
  2. 自動車税
  3. 自動車重量税

環境性能割

これは、以前は自動車を売買などで取得した際に取得価格の3%(軽自動車は2%)が自動車取得税として 課税されていたのですが、2019年10月に消費税が10%に上がったタイミングで自動車取得税が廃止され、新たに「環境性能割」という税金に変更となりました。

環境性能割とは、売買などで自動車を取得した者に対して課税される税金で、税率は自動車の燃費性能等に応じて自家用車は0~3%、営業車と軽自動車は0~2%となっています。

これは、新車・中古車ともに同じ税率が適用されますが、現在の自動車の価値に相当する取得価格の算出方法が新車と中古車で異なるので、実際の税額は異なります。

自動車税

自動車税は、自動車を所有していれば課税される税金です。
税額は用途や総排気量によって決まります。
総排気量が大きほど税額も高くなり、自家用乗用車で25,000円~110,000円、軽自動車で10,800円となっています。

環境性能に優れたエコカーを所有している場合は大幅に減税されますが、一定年数を経過した環境負荷が大きい自動車には15~20%程度税負担が増えます。

自動車税の支払い義務が発生するのは毎年4月1日時点での自動車の所有者です。
通常5月上旬に納税通知書が届き、5月末が納付期限であることが一般的です。

自動車を譲渡して名義変更していない場合や、一年間まったく車に乗っていなかったとしても所有者として登録されている者に納税義務が発生しますので注意してください。

自動車重量税

自動車重量税は自動車の重量に対して課税される税金です。

支払うタイミングは、自動車の新規登録時と車検時で、次回の車検までの期間分をまとめて納めます。
新車なら3年分、新車以外は車検の有効期間に応じて2年分、もしくは1年分を収めます。

税額は車体の重量が重くなるにつれて高くなりますが、一般的な乗用車の場合、年間1万円から2万円ほどとなります。

また、新車を登録してから13年以上経過すると重量税の額は上昇し、18年以上だとさらに上昇します。

2. 自動車保険料

次は自動車保険の保険料です。
自動車に乗っていると交通事故やさまざまなトラブルに遭遇することもあるので、自動車保険については慎重に検討すべき維持費となります。

自動車保険は大きく分けて「自賠責保険」と「任意保険」に分けられます。

自賠責保険

自賠責保険は正式には自動車損害賠償責任保険といい、「強制保険」と呼ばれています。

この自賠責保険は、自動車を運転する人に加入が法律で義務付けられているので、加入せずに運転した場合は法律により処罰されます

また、自賠責保険に加入していないと車検を受けることもできません。

保険料は24カ月で、自家用乗用車で25,830円、軽自動車で25,070円となっています。

この自賠責保険は、自動車事故が起こった際の被害者救済が目的のため、補償される範囲は対人事故による損害のみとなります。
しかも自賠責保険で補償される額は後遺障害による損害に対しての最高4,000万円までとなるので保険金額が充分とは言えず、大きな事故の場合にはカバーしきれません。

任意保険

そこで、その不足分を補うために自賠責保険に上乗せして「任意保険」に加入する必要があります。

任意保険の補償範囲は事故の相手だけでなく、自分や同乗者・車・物などさまざまなタイプから自分で必要なものを選んで加入することができます。

保険料は保障内容により大きく異なります。

3. 整備・メンテナンス費

自動車を安全に利用するためには定期的なメンテナンスをする必要があります。

メンテナンス費用の代表的なものに「車検」があります。

車検

一般に車検と言われているものは、自動車検査登録制度における自動車継続検査のことです。
定期的に検査を受けることが法律で義務付けられており、これに違反して公道を走らせると罰則の対象にもなるため、必ず受けなければいけません。

車検時にかかる費用は、法定費用として、自賠責保険料、自動車重量税、自動車検査料、印紙代などがかかり、また、交換が必要になる部品などにより料金は異なりますが、軽自動車なら5万円、乗用車であれば7~10万円が一般的な費用となります。

その他のメンテナンス費用

車検以外にもメンテナンス費用としては、タイヤ代、オイル交換、修理費用などがあります。

タイヤは必ず劣化します。
日常的に乗っているのであれば数年で交換する必要があり、数万円の費用がかかります。
また、オイルやオイルフィルターも一年に一度、もしくは10,000km走行で交換することになり、その都度数千円程度の費用がかかります。

日頃から自動車を安全な状態にしておくことは安全に運転するために必要なことのみならず、運転者の義務でもあります。

4. 利用費

さいごに、利用費です。
実際に車を利用するためにはガソリン代や駐車場代、高速料金などの費用が必要になります。

ガソリン代は利用頻度によりますが、燃費が悪かったり、パワーが強い車であれば使用するガソリンの量も多くなり、日常的に乗っていれば少なくない金額でしょう。

また、駐車場代も必要です。
駐車場付きの戸建てにお住まいの方は必要ありませんが、集合住宅や駐車場がない場合は別途借りなければなりません。

一般的には月額1万円前後が多いようですが、都心部では5万円を超えるところもあります。

是非一度皆さんがお住まいの地域の駐車場料金も確認してみてください。

さいごに

このように自動車を所有するにはさまざまな維持費が必要になります。

安全な走行のためにも必要な維持費は削減できませんから、エコカーの購入を検討したり、必要以上に排気量や重量が大きくない車種を選ぶなど、あなたにぴったりの車を選んでください。