保険には 健康保険や国民年金など国が運営する公的な保険である社会保険 と、民間の生命保険会社などから加入する民間の保険とがあります。
この社会保険と民間の保険との役割の違いはご存知でしょうか?
民間の生命保険などに加入する際には、まず、社会保険とはどのようなものなのか、社会保険で賄えるものはなんなのかはしっかりチェックしておきたいポイントでもあります。
ここでは、社会保険と民間保険との違いや内容を確認し、保障の重複や漏れがないようにしっかりと確認しておきましょう。
社会保険(公的保険)とは
社会保険( 公的保険 )とは、国民の生活を保障するために国が運営する公的な保険制度のことです。
国民年金や国民健康保険などみなさんも聞いたことがあるでしょう。
・年金保険
・雇用保険 など
民間保険とは
民間保険とは、営利あるいは非営利団体である民間の保険会社等が運営している保険です。
個人で加入するものなので、私的保険や個人保険とも呼ばれています。
日々の生活のリスクである病気やケガ、死亡、自動車事故など社会保険の保障ではじゅうぶんではなく、カバーしきれない部分に備えることができます。
・損害保険
・がん保険などの第三分野の保険
社会保険と民間保険との違い
それでは、社会保険と民間保険の違いをみていきましょう。
両者の大きな違いは以下のとおりです。
・保険料
・保険金(保障内容)
それでは、順番に見ていきましょう。
加入条件
まず、加入条件ですが、社会保険は年収や勤務時間など一定の条件を満たす国民には加入の義務があり保険料を負担しなければなりません。
それに対し、民間保険の加入は任意です。
つまり、入っても入らなくてもよいということです。
例えば、病気やケガなどをしてしまった場合、最低限の保障は社会保険でまかなえますが、それだけでは保障内容が不安だというときに加入するのが民間保険とだといえます。
社会保険である健康保険によって医療費の自己負担は軽くなりますが、がんなどの病気になった場合にもっと備えが欲しいなど社会保険ではカバーしきれない部分に備えることができるのが民間保険です。
日本国民の9割の世帯が民間保険に加入していることからも、その重要性はおわかりいただけるでしょう。
解約の可否
公的保険は加入の義務がありますので、原則として解約することはできません。
これに対して民間保険は任意で加入するものなので、解約も自由にできるということになります。
支払う保険料
社会保険の保険料は原則として所得によって決まっています。
これは、所得によって納める税金の額が違うのと同じです。
それに対し、民間保険の保険料は受ける保障の大きさや追加で加入するオプションや特約などによって決まります。
つまり、支払う保険料は保証の度合いに応じて自由に決められるのです。
つまり、民間保険では保障を手厚くすることができますが、その分毎月支払う保険料は高くなります。
受け取れる保険金の額(保障内容)
受け取れる保険金の額についても両者違いがあります。
社会保険の保険金額は法律によって決まっています。
つまり、所得によって保険料は人によって違うが、受けられる保障は原則として同じ内容となります。
多くの保険料を支払っているから多く保険金がもらえるわけではありません。
※厚生年金保険は収入が上がれば支払う保険料が多くなり、受け取れる年金の額は増えますが、上限があります。
これに対し、民間保険は特約をつけたり、給付金額を増やすなど自由に保障内容を設定できるので、受け取れる保険金の額も契約内容によって異なります。
保証内容を厚くしてして多くの保険料を支払えばその分給付を受けることができる金額も増えるということです。
以上の内容をまとめると
公的保険 | 民間保険 | |
---|---|---|
加入 | 強制 | 任意 |
解約 | 不可 | 自由にできる |
保険料 | 所得により決まる | 自由に決められる |
保険金の額 | 法律により一定額 | 契約により異なる |
さいごに
以上が社会保険と民間保険との主な違いについてです。
社会保険は強制力があり加入しなければならないものなので、民間の保険に入る際にもまずベースになるものですから、内容はしっかりと把握しておきたいものです。